コラム
「手段」は「目的」のためにある
皆さんは今「やりたいこと」はありますか?
その「やりたいこと」は「なんのために」やりますか?
人はしばしば「目的」ではなく「手段」に意識をもっていかれます。
いつの間にか、手段が中心となり、本来の目的が薄れてしまうのです。
例えば、就活では「たくさん内定をもらうこと」は本来の目的でしょうか?
仕事面では「効率を上げること」、生活面では「ダイエット」など。
これらは手段なのに、これの先にある目的を見失ってしまうことがあります。
今回はそんな話をしていこうと思います。
■ 手段の目的化はなぜ起こってしまうのか
手段が元の目的とすり替わってしまうのは、手段の方が扱いやすいためです。
目的というのは曖昧な場合が多いです。
そのため、手段の方がコントロールしやすく見えてしまいます。
「キャリアを築く」「健康になる」「信頼される」
これらの曖昧な目的は、具体的な手段によって見えなくなってしまうのです。
しかも、人は数値化しやすいものに意識が向かいやすい性質があります。
そのため、元の目的から外れて数値で測れるものを追いかけてしまうのです。

■ 手段の目的化は危険
わかりやすいのはダイエットでしょうか?
健康になるために始めたのに、「10キロ痩せる」ことがいつの間にか目的となる。
その結果、気づいたときには無理なダイエットをしていて、体調を崩してしまう・・・
手段は、知らぬ間に主役になってしまうのです。
行動は増える一方で、本来達成したかったゴールからは離れていきます。
どうしても、数字や回数など「見える成果」を追いかけてしまうと思います。
しかし、本質的な質や中身の検討が浅くなり、ゴールとの整合性が下がってしまうのです。
そして、行動量だけが増えて、前進している感覚を得られない現象が起きます。
気付かずに手段が目的化すると、努力しても望む方向へ進めなくなってしまいます。
だから、危険なんです。

■ 目的を見失わないために
一言で表すと「ゴールの言語化」です。
「幸せになる」とかだと曖昧過ぎてしまうんです。
目的は「自分の方向性がぶれないくらい明確」である必要があります。
「自由度の高い暮らしがしたい」そのために「車を買う」「貯金する」
「大切な人と長い時間過ごしたい」そのために「100歳まで生きる」「健康」
「世の中の役に立つ製品を生み出したい」そのために「機械設計」「就活」
こんな風に方向性を決めると、目的を見失うことを防げます。
また、目的と手段の関係も時々見直して、その手段を採用した理由の再確認も大切です。
選択肢が増えた時ほど、目的に戻る習慣を持ちましょう。

■ まとめ
目的と手段は、気づいたときにはごちゃごちゃになってしまうものです。
手段は目的に近づくための道具です。
自分の目的を見失わないように気をつけましょう。
目的が明確であれば、選択はシンプルなものになっていきます。
時には遠回りもあるかもしれませんが、自分らしい手段を選んで欲しいと思います。



