コラム
話を引き出すにはどうしたら良いのか
以前「聞き出し上手」に関するコラムを投稿しました。
今回は、相手のコントロールについてもう少し具体的に書いていきたいと思います。
「聞かずに話させること」はコミュニケーションで最も有効な手段です。
人がわざと隠す「不利な情報」をキャッチできるようになります。
■ 人は話したい生き物
人は基本的に「自分の話をしたい」「理解して欲しい」と思っています。
しかし、その欲求は「警戒心」とセットになっています。
特に本音や不利益な情報は、自分のペースで開示したいという欲求が強くなります。
相手の話したいタイミングで、話したいことを、話したいカタチで引き出す。
これが、最も自然で、信頼関係を壊さずに本心に近づく手段です。
「問い詰める質問」では相手との間に壁が生まれ、本音を隠されます。
相手がつい返したくなるパスを出せば、むしろ気持ちよく話してくれるのです。

■ 警戒されないパスの出し方とは?
ここから、相手が自然に話したくなるテクニックについてお話します。
① 相手を格上げする
相手を褒めて持ち上げることで気分を良くする方法です。
逆に自分を下げてマウントを取らせるのも同じ効果があります。
人は単純なので、気分が良いとよく話すようになるのです。
② 苦労話をさせる
これは、自分より立場が上の人に効果的な方法です。
人は、苦労・努力の先の成果や結果を自慢したい生き物です。
自画自賛の話をしている時は、警戒心が緩むため、饒舌になります。
③ 推測をちょうどよく訂正させる
人は訂正するときによく話します(訂正にはマウント効果があるため)。
間違いを指摘させることで相手を優位に立たせましょう。
相手に話を教えてもらうスタンスに切り替え、どんどんマウントを取らせましょう。
丁度良く食いつく間違いは「過大解釈」と「一般論の利用」です。
これらについて次のセクションでもう少し深掘りします。

■ 話を引き出す間違い方
相手を誘導するには「わざとズレた発言をして相手に訂正をさせる」のがポイントです。
相手に話の優位に立った感覚と、主導権を渡された感覚を持たせます。
「いや、そうじゃなくて」というワードがでたら本音に近づいた合図です。
ⅰ.「過大解釈」について
相手の話や立場を意図的に大げさに、または、極端にして返す方法です。
「そんなに極端じゃないよ」と感じさせられればOKです。
(例)絶対にそんなことはやらないんですね?
→ いや、状況によってやることもあります
(例)今はもう完全に別の方法を考えてるんですね
→ そんなことはないけど、今は距離を置いてる感じかな~
相手がオブラートに包んだ表現をしたときに、訂正を使ってハッキリさせられます。
ⅱ.一般論の利用
個人の意見ではなく、多数派の声として意見を提示する方法です。
相手に「自分は違う」と思わせ、別のポジションを取らせることで本音を引き出します。
(例)一般的には、そういうところは気にしない人が多いですよね
→ いや、私はそういうところ、すごく気になるんです
(例)普通はそういうときに、感情的になっちゃいますよね
→ 私はそういうところをしっかり我慢したんだ
相手が自分の特異性・優位性・こだわりを示したくなる話題を選ぶことがポイントです。
また、逆張り願望が出やすいもの(価値観、仕事観など)は特に広がりやすい話題です。

■ まとめ
人から本音を聞き出すというのはすごく難しい課題です。
今回紹介した方法は、自己主張が弱い(訂正に価値を感じない)相手には効きません。
そのため、場面に合わせて使うことをオススメします。
また、過剰に操作しようとすると、相手が警戒してしまうので注意が必要です。
場面と相手を見極めて、この方法を試してみてください。